感染症の流行と抗生剤の処方について

40度の高熱があった咽頭痛の患者さんが本日受診されました。

臨床的に新型コロナやインフルエンザなどウイルス感染も否定できない状態でしたが、感染症の検査を希望されませんでしたので、解熱剤や消炎剤などの対症療法が中心になることを付き添いの方に説明いたしました。しかし、「これは普通の扁桃炎に違いないから抗生剤を出してほしい」と強く希望され、医学的見地から説明するこちら側との間で少し押し問答になってしまいました。たくさんの患者さんを待たせている状況でもありましたので、やむを得ず今回は希望通り抗生剤を処方してお帰りいただきましたが、最初から自分の思い通りにいかなかったことに腹を立てているのか不満げな様子でした。

インフルエンザや新型コロナのようなウイルス感染にはそもそも抗生剤は効きません。また溶連菌感染症の場合、お薬（抗生剤にもいろいろ種類があります）は違ってきますから、診察の結果により除外しなければいけない感染症というものがあります。必要な検査を行った上で、最終的に投薬内容を判断するのは資格を持った保険医の仕事なのであり、患者さんに言われるがままむやみに薬を出していたら保険診療は成立しません。

現在インフルエンザや新型コロナ、溶連菌などの感染症が流行しております。本日も数えきれないほどの感染症患者さんが受診されました。発熱や咽頭痛がある患者さんは、上記の内容を充分ご理解のうえ受診していただきますようお願いいたします。

感染症の検査を希望される場合は、診察室ではなく必ず受付の時点でお申し出ください。また数日以内に37度以上の発熱があり臨床症状から感染症の可能性を否定できない場合、感染症の検査を拒否されますと、十分な検査や処置ができなくなってしまいます。スタッフや他の患者さんへの感染拡大を防ぐため、ご理解をよろしくお願いいたします。

☺既に他院で感染症の診断を受けている方の診察については基本的にできません。